美しいものにいつもほほえんでいたい

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お知らせ

「風待ち講演会」に関して休止のご挨拶

「風待ち」とは、6月の異名のことです。梅雨時の蒸し暑い日が続くと、(時に北東の冷たい風が吹く日もありますが、)風を恋しく待ち、ほんのささやかな風でも喜びを感じます。
この待たれる風のようなお話ができればと、至誠堂(現コーエィ・エージェンシー)の方々のご協力によって、「風待ち講演会」が始まりました。春と秋の年2回で開催し、多くの方々の参加をいただきました。
源氏物語や万葉集、紫式部と清少納言、朔太郎や堀辰雄のことなど、お寄せいただいたアンケートを参考にして、お話しました。

私は常に講演で扱う作品や作家に関しての現代性を問いながら、この作品が現代とどう関連するか、またその意味は、また、どのような問題を現代人へ投げかけているかを念頭に置いてお話しました。毎回のことですが、満足したことはなく、勝手な放談ばかりしてしまったと、反省ばかりでした。

さて、現代、大勢の人に呼び掛け、行事を開催するとき、参加者の年齢層、時間(昼か夜か)、会場などが問題になります。今は昼間の行事を希望される方が多くなりました。この背景には、徐々にですが、文化行事全般に足を向けられる方々が高齢化してきたことと、公的交通手段が乏しいことです。

こうした諸情勢下、「風待ち講演会」開催が難しくなり、スタッフと相談の上、ひとまず休止することを考えました。今後、条件が整えば開催したいと思っています。
これまで参加していただき、誠に有難く、感謝申し上げます。

吉永 哲郎


これまでの講演会の様子はこちらからご覧いただけます。